10月8日(日)


 JR中央線の国立駅の駅舎が、今日を限りにその姿を消してしまうので怪鳥さんと出かけた。
 あまり関わりのない私ですら「大正建築らしい赤い三角屋根がかわいい駅舎だな」と思っていたように、本当に多くの人が名残を惜しみに来ていた。
 天気も良くて青空をバックに写真を撮る人が大勢いた。通りすがりの人でも携帯で撮っていたり、スケッチブックに色鉛筆で絵を描く人や、駅舎内部の細かい部分を撮影している人もいた。
 怪鳥さんと彼の母校である国立高校まで歩いて、大学通にかかる歩道橋から遠くに見える赤い三角屋根も眺めた。桜の季節にはよく桜並木の向こうに見える三角屋根の駅舎なんてのを撮ったものです。

 夜23時過ぎ、最後の電車が通って駅舎工事が始まるまでの様子を見に再び出かける。すでに写真撮影をする人は減って、トンガリ屋根の国立駅舎を愛する人々がいっぱいだった。
 最後は、集まった人々(我々)による童謡『ふるさと』の歌声が、古い駅舎をっつみこんだ。そして静かに、改札取り外し工事が粛々と始まった。

 今後この駅舎は「解体後保管される」ことだけが決まっている。保管されたあと、どうなるのか(同じような姿で再建されるのかどうか)まったくわかりません。
 これほど愛されている駅舎を経済的損益だけで、三角屋根を残す方法をさぐらない(というか、もはや何が何でも望まないという感じの)JR東日本や国立市議に悲憤慷慨です。

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