Jリーグの「秋春制」が2026年-2027年シーズンから行われると決まった。けっして少なくない数の降雪地や寒冷地のチームにとっては非常に厳しいことで、私は大反対だ! (そもそも日本の豪雪は世界で類を見ない多さで、ヨーロッパの降雪量など日本の足元にも及ばない)
8月に開幕するなら、シーズン直前のトレーニングは7月下旬の猛暑のなかで行われ、選手の負担はいまと変わらない。夏休み客をみこんで9月開幕ではなく8月にしたのだろうが、それではいま猛暑の夜に試合をするのと変わらず、選手のパフォーマンス向上にならない。12月中旬~2月下旬にウインターブレークをするなら、その期間に降雪地や厳寒地のチームはずっとホームを離れてトレーニングをするのか?(ホームでトレーニングできるチームに比べて、選手にとって大いに不利だ)。いまはシーズン終了ではっきりと体も心もオフになるけれど、シーズンのただなかにオフを入れたらシーズン後半へチームの調子は維持できるのか? いっそ2シーズン制なら、まだ体調やメンタルの調整がつきそう。現行でも2月末~3月は降雪地や寒冷地のチームにとってアウェー試合が増えるのに、それをシーズン後半(再開時)にやられたら非常に不利だ。新年度あたまの4月や5月に優勝戦線をくりひろげられても、サポーターは(入学・進学や就職・転勤など)新生活で応援環境が変わる人もいる(ヨーロッパのシーズンは生活サイクルと一致しているが、日本人にとって「8月に始まって5月に結果を出す」ことは生理的にあわない)。
そもそも、チームの会計年度はどうなる!? そして、スポンサーに5月の結果を待って(J1・J2・J3の立ち位置が決まってから)次シーズンの予算依頼をするのか?(私がスポンサー企業なら、年度で予算を組みたい。5月に言われても大枠予算は決定後)。「夏にオフがあれば、海外チームとの移籍がスムーズになる」という意見もあるが、現在すでに充分に日本人サッカー選手はヨーロッパで活躍し、その存在を認められている。逆に「日本のサッカー環境」を好む外国人選手もいるように、「Jリーグ」は世界で認められていると思う。
「ガラパゴスであることは悪」とはまったく思わないし、この30年の間にJリーグは地域に根付き、世界で認められたと思う。それを捨てて、豪雪・寒冷の地域の暮らしを無視し、日本人の生活環境(春から育み→秋に結果をだす)を無視するようでは、十年後・三十年後のJリーグはだれにも愛されないと思う。
日本人にとって、かつて一時的に導入したサマータイムがなじめず定着しなかったように、野外スポーツであるサッカーの秋春制はなじまないと強く思う。
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