3月 3日(金)

 今夜が最後のサーリセルカ滞在の夜です。だから雪でもオーロラ観測小屋で一晩過ごしてみようと昼から体力温存モード。のんびりと最後の街の散策に出かけ、すっかり馴染みになったインフォメーションで昼食をとりました。高緯度らしい低い太陽が薄日をさすなか不思議な光景を見ました。太陽のすぐ上にエビ反りのようになった虹がかかったのです。2日ほど前はダイヤモンドダストのように結晶化した雪が降るなか、太陽の周りに大きな暈を見ましたが、今日の逆虹は太陽と同じ方向で、しかも普通の虹と反対に反った弧を描いているのです。怪鳥さんが子供のころに一度だけ見たことがあり、やっぱりこういう逆虹がかかるんだ!って感激していました。ゆっくりラップランドの風景を楽しんだ後、早めに部屋へ戻るとサウナに行きました。フィンランド式サウナは焼いた石に水をかけて白樺の葉っぱで体を軽くたたきます。日本の乾燥したサウナとちがいとても気持ちよかったです。早めに夕食をとりさっそく観測小屋へ移動。八角形の小屋の真ん中に薪ストーブがあってその周りにグラスに入ったキャンドルをともします。壁づたいにベンチがありトナカイ皮が敷き詰められていて暖かかったです。8時ころから30分ごとに外へ出て空の観測。雪が激しく降ったり、ときおりムラのある雲が行き交ったり、強風が吹いたり…。でも結局雪がやんで晴れることはなく雲が覆ったままでした。朝5時、薄明になったのを機に観測小屋を引き上げて部屋へ戻りました。本当に残念だけど、一晩中空を見上げて薪を焚いてトナカイの皮の上で仮眠をとって、フィンランドらしい経験ができました。

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