3月11日(金)

 キッチンにいたら小さな揺れが続き、おさまりそうもないので食器類のある部屋から出た。
揺れはどんどん大きくなりやみそうもないので玄関の扉を開けて、柱の近くで頭上などに注意しながらしばらく揺られていた。
歩道の人も悲鳴を上げ、自転車の人も降りてたたずみ、ケヤキ並木の大木がゆらゆら揺れ、電線はぴゅんぴゅん波打っていた。

 1分以上たった気がする頃ようやく揺れがおさまったので部屋に戻ると、2階から怪鳥さんが降りてきた。
義母は自分のいた部屋から外に出られる窓をあけ大黒柱付近にいて、義父はトイレにいたらしい。
みんなですぐテレビに注目すると、東北地方で巨大地震があり、津波の予報が発表された。

 しばらくすると、テレビ画面で津波が襲ってくる様子が映し出された。
別の港でも大きな波が襲い、車などが浮かび上がり流されていった。
さらに、ほかの川の付近では広範囲にわたって泥水が田んぼの上を突き進み、農道などを飲み込み、住宅をも巻き込んでいった。
あの走っている車はどうなったの? 3階建てでも飲み込まれているよ! 海も川も田んぼも境がないよ……。
東京でもたびたび揺れ、テレビから目が離せない状況が続いた。

 夜になると都心では、電車の不通により帰宅できない人たちが道にあふれているニュースが流れた。
各地に受け入れ所ができ、私鉄が動き出し、それぞれ対応しているようだった。

 震災地は夜になり停電で真っ暗で、テレビ画面からは様子が分からなくなった。
そんな中で火の手が上がり、火災が発生していた。津波の後には、火災が怖いね。

 私が2階の部屋に行くと、仕事や趣味の資料など積んでいた紙類が総雪崩を起こしていた。
とくに私に机の周りが、我が家の一番の被害地だった。
とりあえず、目に付いたところから片付けて(再び積み上げて)、仕事をすることにした。
元気でいるのだから、締め切りは守らなくては。

 そんな真夜中、今度は長野北部で大きな地震が起きた。
この頃になると、緊急地震速報がたびたび流れるようになった。逆に、多すぎて困るくらいだったけど。
震源地があちこちに移動し、東日本の乗っているプレートがどんどん動いているようだ。
夕方のニュースで見た、埼玉県幸手市の土手の大きな断層もそのせいかな。

 結局、未明まで落ち着かないままテレビを見ていた。(仕事はちゃんとやった)

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