10月28日(日)

 かわさき宙と緑の科学館で読書普及講演会「宮沢賢治の伝えたいこと」があった。
 講師は宮沢賢治記念館の副館長で学芸員の牛崎敏哉さんで、プラネタリウムに宇宙を映しながらいくつもの賢治作品を読んでくれた。

 講師というより“ひとり芝居”をしているように朗々と、『銀河鉄道の夜』の初期稿だけに登場する「セロのような声の黒い帽子の男」の台詞(とジョバンニの会話)を読み上げてくれた。
 詩『原体剣舞連』では星空に剣舞の映像が重なり、牛崎さんのリズムカルな声が合わさり、トリップするような感動を覚えた。

 最後に『雨ニモマケズ』を詠い、『農民芸術概論綱要』から次の一説を暗唱してくれた。
「近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
 自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する。」

 賢治作品とプラネタリウムが溶けあった素晴らしい時間だった。

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