3月29日(水)

 今回は夜に体力を残したいことと、資金がないことから(笑)オプショナルツアーには参加しません。お昼ころゆっくり起きてホテルでブランチをとってから、近所へ散策に出かけました。フォートマクマレーは雪がすっかり消えて、ほこりが舞うほど暖かかったです。現地ガイドも「今年は雪解けが早く、地元では半袖の人もいます」言ってました。
 午後からオイルサンドの博物館を見学しました。本当はOPツアーにもあったのですが、偶然にもホテルの真ん前が見学できることが分かり自力で出かけてしまいました。世界一をほこるオイルサンドからどうやって石油を抽出するのか、多くの人々が苦労した歴史と非常に大がかりな道具を使っていることを実感できました。なんと日本語解説ビデオもあって、私たち二人のために上映してくれたのでとてもよくわかりました。部屋に戻るとほこりだらけの体をシャワーでさっぱりさせ、夜に備えて仮眠をとりました。
 今夜はちょっと早く22時から観測に出発。バスの窓から東の空を見ていると、なにやら雲のようなものがわき出しています。「雲? 車内の明かりが反射してるの?」と思っていると、どんどん大きくなって緑色に感じます。「オーロラだ!」と分かるとみんなで感激。現地へ着く15分の間にどんどん大きくなって、バスから降りたときには東の空に立派なオーロラが立ち上がっていました。西に向かって手が伸びるようにどんどん成長し、やがて虹のように太いアーク状オーロラがかかりました。23時ころいったん薄くなり消えちゃうかなと思ったのですが、かすかなまま残り続けます。23時30分過ぎに西に波形のオーロラが見えると、どんどん濃くなって24時には地平線に刺すような立ったオーロラが見えました。まもなく北方向にスポットライトのようなオーロラがいくつか見えたと思うと、アッという間にどれもが濃くなりとうとうつながり、見事なカーテン状のオーロラになりました。カーテンの裾は濃い緑で、カーテンレールの部分は筋が入って赤っぽい感じがします。24時30分には東にずっと見えていたキツネの尾のよな白いオーロラとつながり、間の前を巨大なカーテンが広がりました。特に西側はうねる波やたての筋がはっきりわかるものでした。現地ツアーオーナーに言わせると「オーロラ3」(10段階で1が低い)。1時ころになるとアーク状だったオーロラがいったい薄くなり、やがて東側に濃いスポットが現れ、1分もしないうちにカーテン状になりました。また西のカーテンとつながり先ほどより高い50度くらいのアーク状になりました。1時45分にはバスでホテルへ戻るというのでリトルは荷物の整理をしに小屋へ入りましたが、外にいた怪鳥さんによるとやがてアークが薄くなり高さ70度くらいまで空全体に広がったようです。2時にバスへ向かうと「今オーロラが激しく動いているから見てごらん!」というオーナーの声。急いで庭に戻るとなんと空全体に薄雲がかかったようにオーロラが広がり、東上空では虫がはうようにピクピクと筋が動くのです! とっても不気味で神秘的というより気持ち悪いくらいでした。オーナーが言うところの“おばけオーロラ”は、瞬時に空全体に現れたり消えたりする「オーロラ7」。心残りのままホテルへ移動する時間になり、私と怪鳥さんは徒歩25分かけて暗いところ移動し観測続行。5等までしか見えない空なので色まではわかりませんが、オーロラはそのまま激しくブレークアップし続けます。北からは後光が差すようなオーロラ、西・天頂・東・南に不規則に明滅するお化けオーロラ。やがて4時過ぎに薄明になるとオーロラも薄くなり観測を引き上げました。帰路で南を移動する宇宙ステーションを見て、5時ころホテルに戻りました。枕元のドリームキャッチャーのおかげか、念願のはっきりしたオーロラやカーテン状オーロラ、さらには全天を自在に移動するブレークアップまで見ることができました。本当に満足のいく日でした。

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